top of page

スタイリスト西ゆり子氏監修 
新製品「M+N」開発 ストーリーを公開

西ゆり子(スタイリスト)×圍史也(開発担当、メゾンプロテクション代表)
この二人がタッグを組んだ、大人世代を対象に開発した新製品「M+N」シリーズ

 

「M+N」シリーズの最大の特徴は、

テレビ業界のスタイリストとして第一線を走り続けてきた西ゆり子氏のアドバイスから生まれた事です。

 

コンセプトは「肌にやさしく、洋服を美しく見せる下着」。

 

西氏と担当者の圍氏が開発を振り返ります。

01

​コンセプト​

​「肌にやさしく、洋服を美しく見せる下着
          それが「M+N」です。

スクリーンショット 2023-02-10 23.40.15.png

​生地メーカーとスタイリストとのコラボ

02

スクリーンショット 2023-02-10 23.22.05.png

(右)開発担当 圍氏:うちは衣類の生地を作る会社です。例えば、綿の生地なら、原料となるワタの仕入れ・輸入からそれを一本の糸にする紡績、一本一本の糸によりをかける撚糸、出来上がった糸を編み上げて一枚の布にするところまで、全ての工程に関わっています。これまでも自社の生地を使って独自のブランド展開もしてきましたが、業界のトップランナーの人といいものを作りたいと思い、今回西さんに声をかけさせていただきました。

 

(左)スタイリスト 西タイリストの仕事は、ファッション誌や広告などいろいろありますが、私はドラマや映画を中心にやってきましたから、生地についていろんなことを考えてやってきたように思います。

スチールとは違い、動いても何をしてもきれいに見えることが映像スタイリングの条件。質の良い生地は、袖のドレープやウエストのブラウジングのシワがきれいによりますし、スカートのなびき方もエレガントで着た人を美しく見せます。美しいシルエットには生地を知っておくことが大切なんです。私も一緒に面白いことができそうだとワクワクしましたね。

開発担当 圍氏:今回、僕が最も感銘を受けたのは、西さんの服をきれいに見せることへの徹底したアプローチでした。何度かスタイリストと仕事をしたこともありますが、これほどまでに美しさを追求されている人には会ったことがありませんでした。西さんの言葉一つひとつが僕の中でずっしりと落ちて、自分もこうありたいなと憧れました。

僕の素材がどんな風になるのかなとただただ楽しみでしたが、下着のアイディアをいただいた時は正直、驚いたのです。

03

なぜ下着だったのか

_DSC3408-Edit_edited.jpg
_DSC3311-Edit_edited.jpg

スタイリスト 西実はずっと下着を作りたいと思っていたんです。下着というのは、見えないけれど絶対に必要なもの。汗をとったり、温かくしたりと体を助けてくれますし、服をきれいに見せる上でも重要なんです。なのに、今の人たちはあまり気をつかっていないように感じます。どんなに高い服を着ても、下着との相性が悪いと服の美しさが出ません。例えば、綿のシャツの下に綿の下着を着てしまうと、滑りが悪く、シャツに変なシワが寄ってしまいます。私が担当している女優さんには、その人ごとにキャミソール、ペチコート、スリップ、ショート丈のペチパンツ、ロング丈のステテコを揃えておくんです。洋服選びと同じぐらい下着には気をつかっています。

それに、下着は肌に直接ふれるものです。今はヒートテックなどの化学繊維が発達していますが、天然素材の着心地は知っておいた方が良いと思います。私たちが幼い頃は皆、木綿のシミーズを着ていました。昔が良かったという話ではありませんが、それが立ち返る原点になりますから。

開発担当 圍氏:赤ちゃんの時には肌にやさしいものにこだわるのに、幼稚園の後半ぐらいからあまりこだわらなくなってしまう。それが結局、大人になって自分の肌を痛めることになるのに……と思ってしまいます。

スタイリスト 西60歳を過ぎた頃からタイツやストッキングを履くと、太ももの内側の柔らかい部分が痒くなるようになりました。身体が衰え、肌の水分量も減ります。大人世代が健やかに過ごす上でも下着選びは大切です。

03

​天然繊維と化学繊維

スタイリスト 西私が主宰する「着る学校」の生徒には、必ずタグ表示を確認して、下着は天然素材を選ぶようにと言っています。化学繊維とは、肌触りや着心地がぜんぜん違いますもんね。

私、綿100%のTシャツと、綿90%・ポリエステル10%のものを買って着比べてみたことがあるんです。型崩れはしにくかったのですが、ポリが10%入るだけでこんなに発汗しなくなるのかとびっくりしました。綿100%の方が圧倒的に着心地が良かったです。

開発担当 圍氏:あとは、化学繊維の質にも依りますね。化学繊維はうちでは開発していませんが、一般的に良い原料を使い、きちんと研究されて丁寧なプロセスを踏んで作られたものなら、天然繊維より良い場合も若干あるんです。ただ、値段が高すぎて世の中に出回ることはありません。

スタイリスト 西ポリエステルというのは、石油からできているでしょう。それにも良し悪しがあるのですか。いい石油を使うとか?

開発担当 圍氏:そうです。原料の質、それから、糸にするまでにどこの会社でどれだけの工程を踏んでいるかにも依ります。工程を繰り返すごとに雑なものが抜けていき、クリーンで質の高いものになります。これは天然素材でも同じことが言えます。例えば、オーガニックコットンというのは有機栽培された綿花が原料ですが、仕入れた時はものすごくいろんなゴミが混じっているんです。それを紡績工場できれいにしていくのですが、これを日本でやるか海外でやるかでは仕上がりが天と地ぐらい違う。日本でやる方がより多くの工程を踏むので安心できます。

スタイリスト 西仕事が丁寧なんですね。

開発担当 圍氏:紡績、撚糸、編みと、それぞれにスペシャリストがいて時間をかけてやってくれるので良いものができますが、当然金額は高くなります。うちがお願いしている編み屋さんは世界に2台しかない編み機を所有し、メゾンブランドが独占するような会社です。しっかりとした生地になり、着心地にもすぐに反映されます。

スタイリスト 西どんな生地もピンからキリまであるってこと、素材表示が同じでも価格が様々なのはそういうことなんですね。圍さんのお話を聞いていると、質の良い化学繊維なら快適なのかもしれませんね。

開発した下着について

04

IMG_0137-Edit_edited.jpg

開発担当 圍氏:今回開発した下着は、肌に直接ふれるインナーであり、西さんがおっしゃるきれいなシルエットというのを考え、主にシルクを使っています。シルク90%、ウレタン10%。シルクは滑りが良いですし、生地の摩擦による静電気も起こさない効果もあります。紫外線カット率も90%あり、内側から紫外線対策もできます。

スタイリスト 西氏:シルクはコットンより水分が多いから乾燥しないんですよね。いくつか候補の生地をいただき、肌触りなどを確かめました。

開発担当 圍氏:最初は別の生地を考えていたのですが、西さんの意見を聞いてやり直しました。愛娘が綿でも肌荒れするような乾燥肌で、肌着の生地を研究開発したことがあったので、その時の経験も活きました。少しストレッチを入れた方が着やすいので、伸縮性の高いウレタンを10%入れましたが、質の良いものを使っています。

 

スタイリスト 西氏:自分で洗濯もできるのも良いです。

開発担当 圍氏:通気性と発汗、吸水性、保温性という全てのシルク素材の良いところと、ウレタンのストレッチ性を兼ね備えているので快適に着ていただけると思います。最初に腕を通した時にヒヤっとしないのもシルクだからこそです。

スタイリスト 西氏:実際に試してみましたが、服のラインもきれいになるし、着心地もすごくいい。特にペチパンツは、知らない方も多いと思いますが、これは一度試していただきたいですね。寒い時期になると、ワイドパンツの下にスパッツを履いている人がいますが、脚にパンツがくっついてしまっています。これではワイドパンツの美しいシルエットが台無しです。ペチパンツを履けば、静電気でパンツが足にまとわりつくこともないですし、パンツがきれいに揺れます。ポリエステルやナイロン製のスパッツではそうはいきません。

05

生地開発に興味を持ったきっかけ

スタイリスト 西ところで、圍さんが生地開発に興味を持ったきっかけは何だったんですか。

開発担当 圍氏:洋服店の販売員として働いた経験が大きいですね。メーカーで洋服づくりに携わったこともありますが、「売れそうだよね」という感じで商品が作られていく現場にこれは自分がやりたいことではないと思って___それで、3年ごとにハイブランドを渡り歩いて、ひたすら接客をしたんです。売れたものやリピートしてもらえたものとか、毎日メモを取って自分のデータを10年近く蓄えていきました。

スタイリスト 西普通なら服のデザインに興味がいきそうですが、どうして生地に。

開発担当 圍氏:デザインに関してはそれぞれの良さがあると思います。だけど、どのブランドにいても言われるのは、「デザインが気に入って買ったけど、すぐにクタクタになった」とか「良かったけれどもう使えなくなった」とか、悩みの方が多かったんです。だったら、僕が一番いい生地を作ってやろうと。会長と出会ったことも大きいですが、生地開発の世界に飛び込んだのです。製造現場に立ち会い、サンプルを自分で着て、やっと生地の良し悪しがわかるようになりました。そして、作りたい生地のアイディアが次々湧いてくる。地味ですが、生地の世界は奥深いです。

06

生地の質と価格

スタイリスト 西一般の人にとっても生地を分かることは大事なことですが、なかなか興味が向かないし、難しいですね。

開発担当 圍氏:着てみて初めて分かってもらえるものですからね。僕たちでも細かな違いは顕微鏡がないとわかりませんが、金額を目安に判断すれば良いと思います。ハイブランドのようにブランディングとして高い値付けがされているのは見極めないといけませんが、基本的に、生地の質は価格に反映されていますから。

スタイリスト 西今は安いものがたくさん売れる時代になっていますが、高いものにはちゃんと理由があって、その価値があると思います。安価なものはすぐに伸びたり、よれたりして買い換えなきゃいけないし、長い目で見ると結果おトクなんです。私はペチコートの裾がほつれてきたら下を切って使っています。どんどん短くなりますが、着物の襦袢と同じ。10年以上は使っていますよ。

開発担当 圍氏:こちらの商品も確かな生地を使っていますので、長く使っていただけると思います。

スクリーンショット 2023-02-10 23.48_edited.jpg
bottom of page